「新自由主義」という悪魔退治の為の処方箋

菅沼光弘

 この度、国づくり人づくり国民運動の提唱者、木原秀成先生の「檄」シリーズ三冊が新刊されました。 このシリーズ三冊には、「檄」という表題が、いみじくも示唆していますように、現在「改革」という名のもとに、わが国の誇るべき伝統的な経済社会が、次々と解体されていく中で、何とかしてわが国の国益や国民一人ひとりの生活を守りたいという、純粋な祖国愛と正義感にあふれた木原先生の魂の叫びが凝縮されています。


 いまわが国は、あらゆる面で伝統的な品格が失われ、モラルが薄れ、政治家など国家の指導的立場にある人々が平気で嘘をつき、事実を歪曲する行為が横行し、これが本来は礼儀正しい国民大衆にも伝播して、真実を隠蔽することに抵抗感がなくなり、高名な料理店のメニューまでもが、平然と偽装されるような恥ずかしい国に成り下がってしまいました。


 こうした傾向が特に強まったのは、二〇〇一年の小泉構造改革からです。小泉内閣は国民に真実を伝えないまま、米国の「日本改造計画」を実行しようとし、米国の対日戦略に合うようにわが国の法律まで変えた政権です。米国は冷戦が終結した一九九二年から対日戦略を大きく変え、「経済大国日本」を政治経済両面から弱体化させようとしてきました。更に冷戦中に蓄積されたわが国の富を吸い上げる戦略もとりはじめました。


 この戦略の基礎になる理念が「新自由主義」と呼ばれるものであり、これは時に「グローバリズム」とも呼ばれ、その経済面での手法が「市場原理主義」です。公正なルールに基づく市場原理の徹底という名を借りた「新自由主義」は、利権を握る1%の富裕層と99%の低所得者層に社会を分化し、そのしわ寄せは、とくに若い世代に集中しています。


 いま交渉が大詰めを迎えているTPPも、自由貿易の名を借りた米国のルールの押しつけであり、TPP参加によってわが国は米国の植民地となり、富は略奪されるのです。 米国は「新自由主義」の理念をわが国に植えつけるために、まるで悪魔のように、あらゆる手段を使って、わが国の政治家、官僚、実業家、学者、マスコミなどに侵入し、洗脳してきました。その結果、今では彼ら自身が悪魔のように振舞っています。


 この「新自由主義」の悪魔の正体は何か。木原先生は、宇宙的な視座から、時空を超えて、目に見える世界と見えない世界、科学と非科学、過去・現在・未来を融合して、総合的に「新自由主義」の正体を洞察され、その真実を見極められました。


 そしてこの「新自由主義」という悪魔の理念に対抗するためには、縄文時代からの日本文明の根幹である十二単衣共生文明・文化の理念をこれに対置し、これに基づく「祀祭政一致」の国づくり人づくり国民運動を提唱され、「新自由主義」という悪魔退治に乗り出されたのです。


 「檄」シリーズ三冊は、まさにその為の処方箋であり、グランドデザインです。木原先生の国づくり人づくり国民運動に共感する全ての人々が、これを手に取られ、実践されることをお勧めします。



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