この三冊のご著書を手にしたとき、国を想い、人を想い、偉大なる私たちの祖先・先人が残してくれた数々の有形無形の財産をこの世に残すべく、私財を投げ打って、自らの身を投じ、休む暇もなく、東奔西走してこられた師の半生が走馬灯のように、脳裏をめぐりました。
二〇〇七年初版檄書壱の冒頭のご挨拶の一説に…「名誉欲のためでも、自己満足のためでも、金儲けのためでもありません。ただただ祖国愛なのです。この日本に生まれ、今日まで育ててくれたこの自然・山・川・社会、そして人々…。歴史ある日本(地球)のために、同じ志をもっている撰士、また、未来を担う子供たちのための「架け橋」になる覚悟はできています。」と書かれています。 私心のないこの師の志は二十五年前にご縁をいただいた当初から一貫して、今もなお変わることはありません。
半生をかけ、解き明かされた大宇宙の真理、縄文時代から育んできた日本十二単衣共生文明文化にもとづいて、この国がいかにして創られ、守られてきたか。 世界で唯一万世一系二六〇〇年という歴史をもつこの国のすばらしさ…この国に生まれてきたことを誇りに思い、わたしたちの偉大なる祖先・先人の想いに改めてふれた想いがしました。
師は、歴史上の偉大な宗教家、弘法大師空海様と結縁され、今年で、二十九年目を迎えられますが、執筆の間も、ご神仏の不思議な加護に何度となく導かれ、出版のご報告におもむかれた神社での神がかり現象をはじめ、高野山の奥の院での不思議な現象もまた、ご神仏の加護を感じずにはいられませんでした。
限りあるその命に託された大役を、果たさんとして書き下ろされた、この度の渾身の檄三冊は、財団設立十年という節目の年、そして師が古稀をむかえられた二〇一四年五月七日に出版の運びとなりました。
日本解体の危機にある今こそ一人ひとりが、大切な日本の財産を取り戻し、今一度、本当のしあわせを、創ってほしい…、誇れる国づくり・魅力ある人づくりを、一緒にやっていただきたい…と、この檄の書の中には、後世を想う師の願い…祈りが込められています。 近代文明の行き詰り、さまざまな問題が山積みになったこの現代に、一人ひとりが、取り戻さなければならない大切なもの、具体的なビジョンが、微に入り細に入り解き明かされています。
いのちが誕生して、何億年ものあいだ、その命の霊泉が途絶えることなく今日まで生かされてきたのは、人が人を想う・・この他を想う思いやりという何物にもかえがたい、この想いが脈々と生きつづけてきたからではないかと思うのです。 そして、この想いは今、私たちの遺伝子の中にも必ず流れていると・・信じています。
心あるご縁の結び目がとけることなく、かけがえのない大切な方へと、かぎりなくつながっていくことを心から願い、この檄の書を一人でも多くの方々と学び、万人の中に日本の民族意識を呼び起こし、未来をひらく道しるべとして、国づくり人づくり運動の仲間の輪を広げて参りたいと思います。