カ テ ゴ リ

人間づくり教育再生の理想がある


今、何が教育改革の問題点なのか

安倍晋三新首相のご著書『美しい国へ』を読ませていただくと、教育改革に対する並々ならぬ情熱を感じるが、一体全体、何が今の教育の問題点か?の重要な概要を整理してみたい。


(1)今の教育荒廃の問題点

一、宇宙の構造と宇宙の7つの定理と宇宙の真理が見落とされている


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『宇宙の構造』


宇宙は、目に見えるもの(顕象世界)と目に見えないもの(潜象世界)と、無限を秘めているもの(間象世界)が、螺旋状で融和しながら、あらゆるものと相補の関係で調和し、過去・現在・未来の三世を循環しながら生滅流転を繰り返している永遠な存在なのです。 間象世界とは、水はある時は液体(水)になり、ある時には固体(氷)になり、ある時には気体(水蒸気)になりますが、このように変幻万化する世界のことを指しています。


『宇宙の七つの定理』


1)万物・万象は正反が対称的に作られた相似構造をしており正反は親和し同種は反発する
ただし完全な対称ではなく僅かに歪みがある

万物・万象は、正反が対称に作られています。人間も同じです。正反というものは、敵と味方のようですが、実は裏表です。愛すれば愛するほど、問題が起こると憎しみに変わるようなものです。いわゆる相似象で、逆も真なりです。 ただし、完全な対称ではなく、わずかに歪みがあります。この歪みが大事なのです。6+4で10になりますが、これが5+5ならば意味がなく、選挙などでも同一票数であればまた再討議し直さなければなりません。5+5は無限にならないのです。51%と49%であれば、わずか2%の差でも、動きが生じるのです。この僅かな歪みが無限と繋がっているのです。


2)万物・万象はマルチレベルの融和体を成し絶対的な意味での全体や部分は存在しない

マルチレベルで、いろいろなレベルの融和体を成し、絶対的な意味での全体や部分は存在しません。


3)万物・万象は固定した存在ではなく規則性・不規則性を持ち常に変化している

物事は、固定した存在ではなく、規則・不規則を持ちながら常に変化しています。 規則的に動く場合もあれば、不規則的に動く時もあります。 この規則的・不規則的な動きによって、宇宙はシーソーのように、常にバランスをとろうとするのです。


4)万物・万象は周期があり旋転・循環しながら生滅運動をしている

周期があり、旋転・循環しながら生滅運動をしています。常に新陳代謝しているのです。


5)万物・万象は物質と心質と間質を内包している

物質と心質と間質を内包しています。『物質』は周知の通り目に見えます。『心質』は目に見えません。 『間質』とは「物質」にも「心質」にもなる特質で、「心質と間質」は物質の中に見えない形で存在しています。


6)万物・万象は自立性と従属性を持っている

全体としての自立性と、集団としての従属性の両面を持っています。個人主義と集団主義ではありませんが、そういったものを内包しています。


7)万物・万象は有形無形に網状化で繋がっている

小さな神経が、小さい神経と繋がりながら神経系を作り上げるように網の目(網状化)で繋がっているのです。


『宇宙の真理』


宇宙の中から地球は生み出され、その地球の中で人間は生み出され、万類もやはり宇宙の中で生み出されています。 宇宙は次のような8つの真理を内包しています。 それを一つずつ説明していきましょう。


1)全体的で片寄りがない

右も左もありません。上も下も無いのです。 そういったものを内包しています。部分のように見えても、全体の中の一つであり、別々なものではありません。


2)同胞的である

すべてが密接に繋がっています。 国籍・人種は違っていても、すべては親子・兄弟姉妹であり、同胞的であります。


3)家族的で助け合っている

すべては家族的です。 例えば、人間は二酸化炭素を吐き出しますが、植物は酸素を出しています。植物に人間は生かされ、人間はまた植物を生かします。 植物と人間という全く異質のものであっても、それを取り払ってみると一つの大きな家族ということになります。


4)包容力がありお互いを認め合っている

長所は短所となり、短所は長所となる。お金も表裏があり、一見、陰と陽のように見えますが、それで全体であり、お互いを認めあっています。


5)動的エネルギーと静的エネルギーと螺旋エネルギーがある

ある時は動き、ある時は微動だにしないような、動的エネルギーと静的エネルギーの両方が内包されているのです。一見相対的に見えるようですが、螺旋エネルギーが万物の動と静のエネルギーと融和して成り立っているのです。


6)それぞれに役割はあっても差別はない

それぞれの役割を果たしながら、そこにあるものは、区別はあっても何ら差別はありません。上下関係という事ではなく、働きの違いということです。 企業でいうならば、社長は社長の役割を果たし、平社員は平社員の役割をします。 その意味においては平等です。社長が社長の役割を果たせなければ、その資格はありません。社長だから偉いのではないのです。


7)中心はあるが固定的でなくその状況に応じた柔軟性がある

中心はありますが、固定的ではありません。中心は、その時その場によって動いていきます。 しかし、バランスはしっかりと保っています。状況に応じて、非常に柔軟性があります。


8)有形と無形が循環し合っている

水のように、環境に応じて固体・液体・気体に変幻万化して、有形無形の循環をしています。


一、生命の構造と生命の7つの定理と生命の真理が見落とされている


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『生命の構造』


人間の生命体というのは、肉体だけではなく、心体・幽体・霊体・法体の5つの生命の有機的融和体でできている。


『生命の七つの定理』


1)全体や部分は、単一の部品の集合体でもなく、機能的にも単一の行動体でもなく、正反が対称的で相似構造をしている

全体や部分は、単一の部品の集合体でもなく、機能的にも単一の行動体でもなく、正反が対称的で相似構造をしています。つまり、宇宙の構造と似ているという事です


2)マルチレベルの融和体を成し、絶対的な意味での部分や全体は存在しない

循環器系・呼吸器系・神経系・泌尿器系・生殖器系・消化器系と、人間の身体は6つの組織で出来上がっています。 このようにマルチレベルで融和体を成しており、これも宇宙と似ています。


3)全体や部分は、規則性と不規則性を持ち、環境に順応している

環境に順応して、規則的に歩く時もあれば、忙しい時は走ったり歩いたりする時もあるし、また走り続ける時もあります。そうしながら、その環境に応じて順応する力を持っているのです。


4)全体と部分は周期があり、旋転・循環しながら生滅流転している

周期があり、旋転・循環しながら生滅運動をしています。常に新陳代謝しており、これも宇宙の構造と同じです。 また、過去・現在・未来の三世を内包し、死して輪廻するのです。


5)全体も部分も、物質と心質と間質で成り立っている

人間の身体は、骨・血液・肉質などの「物質」と、心などの「心質」と、それらを有形無形に連携させ動かしているエネルギー「間質」でできています。


6)全体としての自立性(個人主義)と部分としての従属性(集団主義)を合わせ持ち、自己統制しながら変化している

全体としての自立性、集団としての従属性を合わせ持ち、自己統制しながら、全体と部分は、宇宙の真相と同じように繋がっています。


7)全体と部分は、樹枝化と網状化で繋がっている

部分は集まって全体になり、全体は部分の融和体です。手・足・腕・耳・・・は部分ですが、独自の働きを持っています。しかし、身体全体で言えば、一部分に過ぎないのです。人間は目・耳・鼻・舌・身体を使って観察し、意識で分別しながら手や足を連動させて行動します。身体全体を動かす時は網状化で、手だけが個別に動く時は、樹枝化ということです。


『生命の真理』


生命も宇宙の中で生み出され、次の6つの真理を内包しています。


1)意識の深い所で通じている

宇宙生態系の分霊であるので、物質的には別々ですが、生命的には霊線で繋がっています。


2)相補関係で生かし合っている

植物の吐き出す酸素が人間の生命を生かし、人間の吐き出す二酸化炭素が植物を生かしているように、万物は生かし合っています。


3)自利・自他利・他利の複合体である

時には自分の為、時には人の為というようにT(時)P(場所)O(機会)によって、生きています。


4)有形と無形でできている

目に見える生命体と、目に見えない生命体との融和で成り立っています。


5)肉体は滅しても意識を持ったエネルギー体として生き続け流転循環し、現世にも影響を与えている

深層意識である幽体は、肉体が滅してもエネルギー体として残り、現世にも影響を与えています。


6)死して輪廻転生する

肉体は滅しても命体は、輪廻して縁ある新しい命体として生まれ変わります。


一、物質的価値と精神的価値が軽視されている


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人間のしあわせは、物と心で惣(すべて)というように、物質的(金銭的)価値と精神的(人間的)価値との両輪が必要であるということが軽視されている。


一、人間のしあわせの概念が判っていない


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人間のしあわせの概念(土台)である生命づくりと生活づくりが判っていない。


一、IQ(知性)・EQ(情性)・SQ(霊性)との融和性がない


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知性や情性教育はされているが、霊性の大切さが見落とされている。霊性こそが教育において最も重要である。


一、過去(遺伝)・現在(環境)・未来(教育)の三次元の相関性が見落とされている


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人間の運命(人生)は過去(遺伝)と現在(環境)と未来(教育)の三次元の相関性で創られているということが見落とされている


一、宗教性の大切さを軽視している


目に見えない尊いものの大切さを軽視している。ここに生命の尊厳の源がある。


一、子供は国・社会・家庭の宝であるということが軽視されている


子供は天からの授かり物であり、家庭・社会・ひいては、未来を担う国の宝であるということが軽視されている。


一、胎教の大切さが見落とされている


動物は生まれてすぐに立ち上がる―つまり、ほぼ完成した姿で生まれてくるが、人間は生まれてもすぐ立ち上がらない―つまり、不完全な姿で生まれてくる、ということは、母親の胎内での期間が重要な意味を持っているということが見落とされている。


一、文明・文化の教育が軽視されている


その国独自の文明・文化の教育が軽視されている。ここに愛国心の源がある。


これらの詳細については、『誇れる国づくり魅力ある人づくり』や「CMF全人教育法・入門編」で述べているので省略するが、これらの要素を軽視しては、真の教育は成り立たないのである。


(2)原因の根源は何なのか

明治以降、富国強兵策のもと、欧米文明・文化を導入し、欧米的近代化をめざしたことが根源の原因である。確かに、欧米的近代化によって、今日の日本の繁栄の礎は出来上がったのだが、欧米文明は唯物論哲学・科学に裏打ちされたものであり、縄文時代より培ってきた日本文明・文化とは、相入れないものである。
ところが、欧米文明だけでなく、欧米文化迄導入してしまったのである。ここに、最大の根源がある。


次に、第二次世界大戦後、戦勝国による戦後政策(GHQ)によって、更に教育の荒廃は進んだのである。そして、その象徴は、文部科学省と日教組との戦いである。
究極の原因の根源は、明治・大正・昭和・平成との時代の連続性において、欧米文明・文化にほぼ完全に近いところまで染色されてしまった…というところに、今日の日本の教育荒廃の現実があるのである。
逆に、前述の問題点を内包したものが、日本文明・文化であり、それに基づいての教育が日本の教育だったのである。それは正に、欧米文明・文化と対称軸にあるものである。


自然・社会・生命の秩序が崩壊する


このまま、教育荒廃の現状が続くと、次のような予測される恐怖が現実となってしまう。


一、動物化する人間が増える。動物は性欲・食欲で生きているが、人間も同じようになる
一、自分さえ良ければという自己中心の人間が増える
一、倫理・道徳が通用しない人間が増える
一、生きる目的がわからない人間が増える
一、自暴自棄と犯罪・自殺人間が増える
一、無気力・無関心・無感情人間が増える
一、善悪の見境が判らない人間が増える
一、損得勘定の強い人間が増える  etc


このような人間が増えていくと、自然の秩序・社会の秩序・生命の秩序の三つの秩序は崩壊し、とうてい人間が住める社会ではなくなっていく。


CMF地球運動には教育再生の理想がある


前述したように、明治・大正・昭和という時代の連続線の中で、欧米文明・文化に染色されたために、教育に携わっている大多数の有識者(学者・先生・指導者etc)は教育の本質を見落としている。これでは、表面的な対処療法に過ぎず、何も変わらないのである。


今、日本国の教育の再生を目指して、大は国家プロジェクトから、小は家族プロジェクト迄、万種万様の「教育カリキュラム」が研究・開発されているが、CMF地球運動の人間づくり構想にはコスミカリズム成功・幸福理論に基づく総合人間教育カリキュラムが体系化されており、この中にこそ日本国教育再生の理想があり、それはまた、日本人が日本人に還れることであり、混迷する世界の未来を拓く道標(みちしるべ)ともなるものである。


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