日本よ美しくあれ
今、あらゆる分野で危機的状況にある現代文明は、破滅か継承(創造)の選択にせまられている。そして、終焉に近づきつつある現代文明の象徴である唯物論哲学中心の欧米型文明を日本国の新しい指針にしようとしている国家の姿勢に、この国の将来は見えない。
一昨年の暮、トム・クルーズ主演の「ラストサムライ」という映画が話題になり、アカデミー賞にノミネートされた。 この映画の内容の是非はともかく、私はこの映画に流れているものは…日本の四季の美しさ・礼節・精神性・家族制度・倫理道徳性・宗教性・平等性…「日本文明の美しさ」であったと思っている。
トム・クルーズというアメリカの俳優をして、アジアの小さな一国である日本国を題材にし、莫大な制作費をかけ、なぜそこまでしてこの映画を作りたかったのか?また、この映画を通じて、何を日本、そして世界に訴えたかったのか?
そんな美しい国日本が、進むべき方向性を見失い終焉に近づきつつある欧米型文明をこれからの日本国の指針にしようとしている危険性を彼なりに日本人に訴えたかったのではなかろうか。 しかしながら上映が終り、時が経つにつれ、日本人の心の中から「ラストサムライ」は消えてしまった。それ程、今の日本人は「日本国」を忘れてしまっている平和ボケ民族になっている気がしてならない。
現在の日本は、市場経済主義が圧巻し、欧米型社会と同じように富が一極集中し、貧富の二極化・精神性価値の喪失・犯罪社会へとエスカレートしつつある。にもかかわらず、市場経済主義信奉者達は、ますますその錦の御旗を振り回して推進しようとしている。
日本国丸の舵を握っている政治においても、橋本龍太郎元総理、野中広務元幹事長、青木幹雄現参議院議長がかかわりあったとされている日歯連からの一億円献金事件は、真実の究明はこれからなされるだろうが、国民が納得できない曖昧さでは、国家の中枢的役目を担っていた要人だけに、あまりにも情けないし、この国の政治は、このままでは将来がない。
かたや、その危機的状況を危惧し、警鐘を鳴らしている学者をはじめ賢人の方々も「反撃の烽火」を挙げつつあるが、自らが戦場に出陣し戦いを挑む方々は極めて少ない。「猫に鈴をつけよ」と叫んでも、自らは鈴をつけない。このままでは「美しい日本」が歴史の塵となって埋もれかねない。
しかし、このようなことで、ほんとうに良いのだろうか。 私は、縄文時代より培われてきた普遍性と相対性と多様性を秘めている日本文明の中にこそ、21世紀の世界の理想があると信じている。 その国の将来を予測しようと思えば、その国の若者を見よ――といわれているが、次のような記事が12月5日の日刊ゲンダイ新聞とホームページに載っていた。
この現実こそ、今の日本を象徴しているのではなかろうか。日本の未来を担う若者達がこのような現状では、はなはだ憂うべきことである。こういう社会を作ったのは、子供に原因があるのではなく、私たち大人に原因があるのである。 私達大人は、今真剣に目覚め、この国の将来と次代を担う若者達のために、行動を起こさなければならない重大な時なのである。私は、浅学非才の身を顧みず徒手空挙、CMF地球運動を提唱したのである。
CMF地球運動の目的と意義と価値
・目 的
美しい日本を建てなおす
今一度、縄文時代から培われてきた日本文明の特徴である
一、自然崇拝
一、精霊崇拝
一、祖先崇拝
一、階級社会がない
一、奴隷制度がない
一、家族制度の尊重
等々を再認識、再構築し、21世紀にふさわしい美しく誇れる日本国を建設する。
・意 義
一、現在の日本人の深層意識に迄浸み込んでいる「自虐史観」を払拭し、万世一系二千年の歴史を持つ日本国民としての誇りと自信を取り戻す。
一、次代を担う若者達に、生きることの価値と将来の日本国の建設に参加してもらう。
一、万類のための地球運動として、日本から発進し世界の賛同者と協力し合いながら 地球の未来を守る。
・価 値
一、四十五億の生命を守ってきた地球を、破滅か継承(創造)かの選択に迫られている危機から救う
一、地球市民として夢 と希望の持てる地球社会の創造
一、自然の秩序・社会の秩序・生命の秩序の三つの秩序の保たれる平和社会の建設
一、二十一世紀にふさわしい美しい日本国の建設
大雑把に、CMF地球運動の目的と意義と価値をまとめてみたが、今、ほんとうに目覚めなければ、人類は遠からず破滅の方向に間違いなく進んでいくのである。
ドイツに生まれたからドイツを愛するのではない。私が生れ育った、街、山、川、野原…。みんな私達自身に他ならないからである。第二次世界大戦で敗戦し夢も希望も失ったドイツ人の落胆した姿を見て、大詩人シラーはこういってドイツ国民を勇気づけた。
私達日本人も、今一度、日本文明の価値を再認識し、欧米型文明の潮流に飲み込まれることなく、誇れる日本を取り戻さなければならない。そして、誰かが勇気を持って一歩踏み出さなければ何も始まらないのである。そこに、CMF地球運動の目的と意義と価値があるのである。
今年は、終戦・被爆六十年目の還暦を迎える。還暦とは、暦が一回転し、始めに戻るということである。二〇〇五年こそ、日本の新しい国づくりの始まる年であり、CMF地球運動の鼓動が本格的に始まる年である。だからこそ、九月三日四日の二日間にわたって行われる国づくり人づくりの祭典を是が非でも成功させねばならない。 随分偉そうなことを書いてしまったが、日本国民として、大人として終戦の年に生まれた人間として、切なる願望である。 志ある人達よ!共に手を取り合って、百万人の結集をめざそうではないか。
合掌