危機的物価高騰の原因の根源はどこにあるか
7月1日から、ガソリンをはじめ食料品・光熱費などなどあらゆる物が高騰し、国民の生活を直撃しつつあり、アメリカでは「フード・クライシス(食料危機)」という言葉が大々的に報じられているとのことである。
値上げ商品の一つ一つを紹介するには、紙面が足りないので省略するが、第一生命経済研究所の水濱利廣主席エコノミストが、6月20日発売の週刊朝日で驚くべき予測をしている。
週刊朝日は「忍び寄る平成の大飢饉」として特集しており、小生はかつて2度の「石油危機」を経験したが、あの時も全国レベルで大変な混乱が起きたことを思い出し、今回はそれ以上の危機ではないかと危惧している。
このような、世界規模での物価高騰の原因の根源はどこにあるのだろうか。それぞれの専門分野の諸先生方が、いろいろと分析し述べられているが、主なものは次のようである。
地球温暖化の影響
投機的ヘッジファンドの影響
資源国の国家戦略の影響
バイオ燃料の影響
食料の争奪戦の影響
世界の勢力地図の変化の影響
支配型社会から共生型社会へ
しかし、これらは表面上の原因に過ぎないと思う。 小生は、地球上のあらゆる『混乱・混迷』は、究極は『経済戦争』であると常々述べている。
今、世界を動かしているのは、市場原理主義に基づくアメリカ型金融資本主義であり、 これは『支配型社会』を生み出し、この支配型社会は、「格差社会」から『貧困社会』へと エスカレートさせるのだ。
支配型資本主義の特徴は、図(1)を見ていただければわかるように 「破滅」に行きつくのである。私は必ず、支配型金融資本主義は終焉すると予測している。いや、終焉させねばならない。なぜなら、宇宙から見れば地球も生態系の一つであり、すべての存在は絶妙なバランスで生かし合っているのである。
人類は、ようやくこのことに気づきはじめ、手を打ちつつあるが、この地球危機を救えるのは、縄文時代より築きあげてきた世界最古の文明文化を内包している日本であると確信している。そのキーワードは『共生』である。
図(2)を見ていただければお分かり頂けると思う。
今、日本文化は世界中でブームになりつつあるアニメーション・日本食をはじめ、 衣食住的な物質世界から精神世界(茶道・華道・禅など)まで、大きな影響を与えつつある。 この現象は、単なる「日本ブーム」ではなく、その深奥に秘められている『共生文化』である。
ハーバード大学のサミュエル・ハンチントン教授は著書『文明の衝突』の中で、日本の将来を危惧しているが、逆であり、やがて『文明の共生』が始まり、その中心は日本なのである。この視点を見落としてはならない。
日本の使命とは、この『共生文化』を世界に普及することであり、これこそが日本が地球の中心に成り得る唯一の道であり、真の『国防』となるのである。