霊性の低下を考える こころと健康 第02回


西欧と東洋の健康観は違う

第1回で健康問題の真の解決策を見いだすには、


1. 生命の本質とは何か
2. 真の幸福とは何か
3. 真の健康とは何か


の三つの視点から総合的に取り組む必要があると述べた。


それは、これまで世界をリードしてきた西欧文明がキリスト教の影響を強く受け、 一元論的な物質中心の価値観に陥っており、 健康観も肉体(体力)的健康観が中心になっており、人間の本質に迫っていないと思われるからだ。 これに対し、東洋文明は物心二元論的であるため、肉体(体力)と精神の両者の調和を重んじる健康観が中心だ。 このように文明観の違いが健康観の違いとなっている。


このことは、そのまま西欧医学と東洋医学の違いにも現れている。 このような西欧と東洋の健康観の違いはすでに多くの識者の認めるところだ。 この違いを無視しては真の健康論は成りたたない。 このことを踏まえて、生命の本質とは何かを考えてみよう。


人間は5つの生命体からなる

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人間の5つの生命体
[肉体(肉体生命)] 顕在意識
[心体(精神生命)] 潜在意識
[幽体(魂生命体)] 深層意識
[霊体(聖生命体)] 霊層意識
[法体(根源生命体)] 超越意識



人間の生命の本質は、五つの生命からなる有機的融和体であるといっていい。 日本にも定着しつつあるホリスティック医学は、この視点に立ち人間の生命体を、 肉体・心体・霊体の三つの生命体の集合体として捉えた医学の確立を目指している。


ホリスティック医学の提唱者でもある、アンドリュー・ワイル博士は『癒す心・治す心』の中で、「霊的な世界は、自分はまだ充分な研究成果を得られる迄に至っていない」と述べられている。 しかし、私は真言密教の僧侶でもあり、この世界を21年間科学的に研究し続けているが、 霊的な世界を無視して真の健康はあり得ないという結論に達した。 つまり、前述した『人間の五つの生命体』を無視して真の健康は成り立たないと言える。


健康とは八つの分野のバランスが大事

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[文化面] 余暇・習いごと・休養など
[健康面] 肉体的健康など
[菩提面] 生命の尊さ・慈悲・愛など
[精神面] 心のやすらぎ
[社会面] 人間関係・ボランティアなど
[仕事面] 自分が打ち込める事など
[経済面] 金銭的安定など
[家庭面] 円満な家族など



私は、人間が関わりを持つ分野をグラフの8つに分け説いている。 世の多くの健康観は、このグラフの中の『健康面』だけを捉えたものがほとんどだ。 真の健康とは、この8つのどれかが欠けても、真の健康とは言えない。


例えば、健康だけが取り得で、収入面(経済)や家庭不和(家庭面)では、健康とは言えない。 また、精神面だけを追い求め、仕事や社会性が欠如していたのでは、これも真の健康とは言えない。 したがって、この8つの分野のバランス(調和)がとれてこそ初めて成り立つものと考える。 また、この8つの分野のバランスをとることは、そのまま幸福のバランスにつながる。


つまり、真の健康を追求すると、真の幸福につながるということなのだ。 このような視点から、現在の巷間に流行している健康観をチェックしてみると残念ながら、 単なる健康観だけを追い求めているように思える。


最近、急速に大きな社会問題になりつつある『鬱病』は、 幽体(魂生命体)と大いに関係ある病気だ。 そのため、西欧的医学中心では治癒はなかなか難しい。 しかし、この5つの生命体をもとにアプローチすると、 治癒させることはさほど難しいことではない。




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