連載(4)八百万神(人)々の結集 現代社会12の不安(4)


11 政治の不安

国民の政治に対する不安がますます高まる傾向にあります。 国家の方向性を舵取る政治家が、自分の私利私欲に走るようでは、国民の政治不安を招くのも当たり前であります。与野党共に真剣に日本の将来を考えての政策こそ、今一番求められているのです。


国民不在の政治を続けるようでは、また、投票率が50%以下になるようであれば、非常に危険な状態になります。国民の不安をねらって諸々の日本国破滅のシナリオが秘密裏に進められることになりかねないからです。何事もそうでありますが、ものごとが崩壊する原因は外部にあるのではなく、内部にあるのです。特に政治というものは、その国の将来を運命づけていくのですから、政治家は日本丸の舵取りをする重大な役割を任されているのです。党利党略を超えて、日本の未来を創造し得る政治家の出現が今ほど望まれている時はないのです。 政治に不安があるということは、日本という国家に不安があるということと同じです。


12 菩提心の不安

何世紀もの間、大和民族といわれる日本人の精神土壌を支え、気持ちを奮いたたせてきた宗教は衰え、宗教自体が魅力を失ってしまいました。というよりも、日本人の宗教離れは、意図的な策略によって仕組まれていることに、ほとんどの人は気づいていません。


今、何よりも不安なのはこのことなのです。人間に本質的・本能的に内在している宗教心が失われつつあるということです。特定の教祖や教団を妄信するのではなく、生命のルーツである御先祖を大切にする心、手を合わせる感謝の気持ち、生命あるものを大切にしようとする心、他者を思いやる心、お互いが協力し生かし合う心、落ちこぼれを出さずに皆で助け合って生きてきた村の文化といわれる伝統、このような日本古来からの伝統的精神土壌はどこにいってしまったのでしょうか。


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日本民族は八百万神といって、木や石や山やあらゆるものがムスヒ(神)の分霊であり、それぞれは有形無形に繋がって、相補の関係で生かし合っていることをテレパシー(感応)的に感じていたのです。そして生活のすべてを自然と共生させる中から、自然とムスヒ(融和)の精神土壌をつくりあげてきたのです。それが、『侘び・寂び』や『間』の文化を育み、日本独特の『道』の法則をつくりだしたのです。こうした伝統的精神土壌の基盤の上に戦後の日本の成功があり、世界一といわれた治安があったのですが、それを捨て去っているのです。仏教でいうところの菩提心の喪失が日本の将来を駄目にしようとしています。


以上、私たちの身近なところで起こっている『現代社会の12の不安』を考えてみる時、繁栄の極みに達した現代の文明社会の中で、人々は幸福と成功を手に入れた代償として、結局はそれとは逆の恐れと不安に満ちています。全くもって皮肉的であり、誰がこのような結果を予測したでしょうか。人間は一体どんなまちがいを犯してきたのでしょうか。私たちが反省しなければならないことは、進化だと思ったことが結局は退化であったということです。


特に生物学的・精神的・宗教的な面での退化です。そして、その退化のスピードは正に坂道をころがり落ちるが如くです。もう誰にも止められず、終末的予言は的中するかもしれません。私たちは今、旧約聖書に出てくるノアの洪水のまっただ中にいます。正に人類は『破滅か継承(創造)か』の選択にせまられています。私たちが生物的危機から救われるためには、私たち自身の肉体・精神・宗教の確立がなされなければなりません。


地球誕生以来45億年とも言われていますが、今日まで脈々と生き続けてきた、この地球を破滅させてはなりません。万物の霊長といわれる人間の責任がそこにあります。自分だけのしあわせのみを追求するだけでは、本当のしあわせは実現しません。私たちのしあわせの創造に協力してくださる生きとし生けるものから、生命なきものまで、すべてを生かしてこそ、はじめて私たちのしあわせが創造できるのです。


今の危機的状況を放置すれば、日本という国名は残っても国体は消滅しかねません。しかし、宇宙が常に生滅流転をくり返しているように、現代という時代も、次なる新しい地球社会に向けて生滅流転をくり返しており、激変している現代の潮流を悲観的・批判的に捉えるのではなく、楽観的・創造的に新生日本への天命と捉えるべきであります。その天命とは何か?


宇宙的地球時代の視座から
日本文明・文化の
根源性に立ち還り
誇れる国づくり
魅力ある人づくりの使命に
目覚めることなのです


この本質を知り、行動を起こす時、大きな退化の波に流されることなく、21世紀を健康で平和な新しい霊的に浄化された世界へと導くものとなるのです。


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