現代科学と文明の実態
では、なぜ現代科学の価値規準を変革しなければならないのでしょうか?宇宙は、顕象世界と潜象世界・間象世界の三層融和構造になっており、顕象世界は科学的測定器で検知できますが、潜象世界・間象世界は科学的測定器では検知できません。現代科学は、物質世界だけを研究対象とする顕象科学になっており、それを中心としているのがまさに現代の欧米文明なのです。 ここで現代科学の概要を深野一幸工学博士の研究を基本にまとめてみたいと思います。
現代科学の基本と特徴
1 基本
現代は、物質世界を研究対象とした顕象世界中心の科学である。
2 特徴
(1) 原点=要素還元主義
(イ) デカルトを出発点とし、ニュートンによって完成された、機械論的(画一的・平衡的・線型的)世界観とその方法論としての要素還元主義
(ロ) 部分の構成要素が全体要素を構成しており、部分と部分および全体は何ら関係がない
例 欧米型医学…肝臓が悪い場合、肝臓だけ治す
(2) 科学性
(イ) 再現性…同じ条件で何度実験しても同じ結果
(ロ) 客観性…同じ実験なら誰がやっても同じ結果
(3) 粒子
(イ) 分子・原子・素粒子までの世界
(ロ) 現代科学の検知限界は10のマイナス18乗cm以上しか検知できない
※究極粒子は10のマイナス90乗cmといわれている(宇宙エネルギー=ニュートリノ)
現代文明の基本と特徴
1 基本
「宇宙は顕象世界がすべてであり、人間は肉体がすべてで、死ねばすべてが消滅する」という唯物的考え方をパラダイムとする物質文明中心であります。その特徴の一部を次に述べます。
◇ 労働時間
生きるためには働いてお金を稼がなければならないが、生活のメインは労働になっており、長時間労働の社会である。
◇ 死生観
人間は肉体だけの存在であり、死ぬとすべて消滅する、と考えられている。特にキリスト教はそのものである。
◇ 精神
国家間・人種間の戦争や紛争が絶えず、他との調和のない自己中心(エゴ) の精神性である。
◇ 宗教
宗教は、宇宙の真理に基づく救済を本質とすべきであるが、教祖宗教による救済を中心とする宗教・疑似宗教が多発している。
◇ 寿命
現代人の平均寿命は、80才の短命である。(人間は本来120才まで 生きられる動物である)
◇ 社会
犯罪多発社会ゆえ、法律を作って治安を維持している。
◇ 食生活
化学肥料や食品添加物・防腐剤など、人間の健康に良くない食品と欧米流の肉食中心になりつつある。また肥満は世界共通の重大な問題であり、メタボリックシンドローム(内臓 脂肪)は深刻になりつつある。
◇ 医学
現代医学の主流は欧米型医学である。それは、人間は肉体だけの存在とする考え方であり、病気になった部分だけを治療する対症療法の医学である。
◇ 環境
石油・石炭を中心とした化石燃料の使用による地球の温暖化・酸性雨・大気汚染・河川海洋汚染や森林破壊などにより、万類(人類)の生存が危うくなるような深刻な環境汚染や環境破壊を引き起こしている。
◇ 科学
フランスの哲学者であるデカルトが「自然(宇宙)は意識の世界と物質の世界とからなるが、科学は物質世界のみを研究するものとする」と、科学の枠組みを決めたことから、現代社会は宇宙の一部の世界である、目に見える物質世界のみを研究する 「顕象科学」になっている。
◇ 経済システム
(イ)市場経済中心の弱肉強食の「勝者は正義なり」という征服型経済システムである。
(ロ)貨幣経済を基本としている文明である。これは基本的には、人間が働いて生活に必要なものを生産し合い、労働の対価をお金でもらいもらったお金で必要なものを買って生活するシステムである。
(ハ)人間に必要な製品は、石油・鉄鉱石・森林など地球の資源を原料にして生産し、消費後はゴミとして廃棄している。資源のリサイクルが少ないため、経済規模の拡大に伴って地球規模の資源の枯渇と環境破壊の問題が生じている。
(ニ)現代の経済システムは、資源を枯渇させ環境汚染を促進する、自然の摂理に沿わないシステムである。
◇ 乗物
化石燃料中心のものが多く、資源の枯渇と環境汚染の問題を引き起こしている。
◇ エネルギー(燃料)
現代文明におけるエネルギーは、石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料と原子力エネルギーが中心であり、有限な物質エネルギーである。
◇ 人間の能力
現代人は、一般に透視・予知・ヒーリング・テレパシーなどの超能力を発揮していないが、もともと超能力は内在されており、その能力が退化している。