第3の目 内分泌
「第3の目」などというと、空想的で馬鹿々々しいと思われるかもしれないが、VOL4で述べたように、生命活動を支える自律神経系・代謝系と並んで、重要な役目を担っているのが、内分泌系なのである。 英国の生理学者E・H・スターリング (1902 ホルモン発見 ) は、内分泌腺のことをホルモンと名付け、ホルモンとはギリシャ語で『刺激』という意味である。
高等動物の臓器の調節は大きくは、神経調節と体液調節の二つによってなされ、後者に関係深いものが内分泌腺である。内分泌腺は、特別な排泄管を持たず、化学物質が直接に、血液、またはリンパの中に分泌され、遠隔の地の臓器に運ばれ、その機能に影響すると言われる。
ホルモンと呼ばれる物質は、現在50種類以上発見されているそうだが、今後の生化学の進歩につれて、新しいものがまだたくさん発見される可能性があると言われている。
ホルモンの働きを一口でいうと、「生理活性物質」ということであり、
1)神経系に作用して、その働きを高進させたり、抑制したりするもの
2)代謝系に作用して、その働きを高進させたり、抑制したりするもの
と、大きく2つに分けて考えることができる。
内分泌(ホルモン)は体の調整役
ホルモンは決して体のエネルギーになるものではなく、体の中の働きが正常に行われるための「調整役」をしている。
ホルモンは、脳下垂体・甲状腺・副腎皮質・副腎随質・脾臓・性腺などの各部から分泌される、ごく微量の物質で、その働きは偉大なものがある。ストレスが加わった時、そのショックを軽減するために分泌される各種ステロイドホルモンやアドレナリン・ノルアドレナリン・代謝を促進するサイロキシンなどの甲状腺ホルモン郡。血中の糖量を調節するインシュリンとグルカゴン。性の特徴を発揮させる男性ホルモン、女性ホルモンなどは、良く知られているホルモンである。
こうしたホルモンは、2~3種類が一組となって、どれか一つが働き過ぎないように互いに監視し合っている。 例えば、激しい運動や労働などで体がエネルギーを必要とする時には、グルカゴンというホルモンが分泌されて、肝臓や筋肉中に蓄えてあるグリコーゲンをブドウ糖に変え、エネルギーが供給されやすくしてくれる。 一方、食事をした後やエネルギーを必要としない時には、インシュリンというホルモンが分泌されて、血液中のブドウ糖を肝臓や筋肉中にグリコーゲンとして貯蓄してくれる。
このように、数多くあるホルモンは互いに抑制しあって体のバランスを保っているわけだが、このバランスが崩れるといろいろな病気が発生すると言われている。インシュリンとグルカゴンの分泌や働きのバランスが崩れたら、糖尿病になると言われている。甲状腺ホルモンのバランスが崩れると、異常に寒がったり、逆に暑がったりすることにもなると言われている。
ホルモンのアンバランスから起こる病気には、更年期障害・不妊症を始め、バセドウ氏病・粘液水腫・アジソン氏病・クツシング症候群・末端肥大症・尿崩症などの難治と言われている病気になると言われている。小生は、医者ではないので、その一つ一つを解説することはできないが、最近、このホルモンバランスが崩れての病気が多発しているところに、現代病の深刻さがあるような気がしている。
併せて、ホルモンバランスと免疫力も繋がっているような気がしている。なぜなら、ヨーガでは、人の体の中に7つの「力の湧き出る泉」を発見し、この力の泉の湧き出る場所を「チャクラ」と名付けている。
次回はこのチャクラと内分泌の関係に踏み込んでみたい。